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武末高裕のECOTECH PRESS 技術を見に行く

環境技術と環境ビジネスの少し先を読む

4月 見に行く!

今月からタイトルを「技術を見に行く」に変えました。あまりに当たり前のことなのですが、現場に行くことが取材する人間の原点。そういう意味を込めました。 下にあげたのは、私が興味を惹かれる4月のイベント、展示会、セミナー、研究会などなどです。この…

着実に進化していたホンダの水素発生器。次はどんなスタイルになるのか。

ホンダが以前から開発していた水素製造装置が進化していました。水を電気分解することで水素を製造するのが基本的な技術です。それ自体は目新しくもなんともないのですが、この装置は高い圧力の水素を圧縮機を使わずに製造できるのがポイントです。圧縮機が…

東京モーターショー2015は何を伝えたのか。

東京モーターショーが終わりました。今回はあまり時間がとれなかったため、全部は回りきれませんでした。めぼしい車は見たつもりですが、「これはすごいな」という、尖った技術の展示は少なかったような気がします。 量販タイプの燃料電池車が登場したことで…

ロボットアームに装着すると、接合装置に変身するマイクロ射出成形機

テーブルに載るコンパクトな装置を偶然、見つけました。機械要素技術展でのことです。といっても今年2月に新聞発表されていたので、単に私が知らなかっただけなのですが。 装置はセンチュリーイノヴェーションが開発したマイクロ射出成形機です。このタイプ…

世界の医療機器市場は拡大、日本はどうなる?

先週(6月24日から)は医療機器開発・製造展がありました。医療機器は世界的な成長が期待される分野です。2013年の世界市場は3278億ドル。これが2018年には4536億ドルになると予測されているほどです。1ドル120円換算で、ざっと55…

無名の会社でも世界をリードできる、トップスタンダード制度

前回(従業員43人のベンチャー企業が提案した規格を、ISOが承認へ)の続きです。 無名の会社が開発した新技術が世の中に認められ、普及していくのは簡単ではありません。製造に関わる技術の場合は、なおさらです。開発された多くの技術は消えていく運命…

従業員43人のベンチャー企業が提案した規格を、ISOが承認へ

順調に進んでいるなら、そろそろアナウンスがあると思うので、この記事をアップしました。 今年4月にNEDOの構造材マルチマテリアルシンポジウムで大成プラス(東京)の講演がありました。担当者によれば、もうすぐISO(国際標準化機構)の承認がおり…

福岡大学が開発した竹舗装、広がっています。

先週、福岡大学のJST新技術説明会に行ってきました。以前取材した竹の応用技術がどうなったか、知りたかったので。 研究しているのは福岡大学工学部の佐藤研一教授です。残念ながら当日は海外の学会出張中とのことで不在でした。 報告によれば、様子が少…

雷、接着、リサイクル。炭素繊維を飛行機に使った時の課題です。

前回の続きです。なぜ旅客機の機体に炭素繊維を使うと客室乗務員の仕事が少し減るのか。炭素繊維は錆びません。これがポイントです。 一般的に旅客機の客室内は湿度を低く抑えています。機体に使用している合金の錆対策のためです。湿度を低くすることで錆び…

炭素繊維を使用した旅客機では、客室乗務員の仕事が少し楽になる

炭素繊維の大口市場として期待されているのが自動車、そして航空機の分野です。日本は炭素繊維の生産だけでなく、航空機分野への応用という点でもかなり先行しています。 ボーイング787は炭素繊維複合材料を主翼などに投入することで、大幅に軽量化されま…

ウェアラブル用の生体センサーに天然素材を使う意味。

写真は住江織物が開発中のセンサー用の布帛(ふはく)電極です。金属メッキをほどこした繊維を織り込んでいるため、導電性があります。これを身体に触れる衣類に埋め込めば、心拍数などの生体情報を計測するセンサーとして活用できます。 この布帛電極に前回…

健康茶の原料が衝撃に強い天然樹脂に生まれ変わるまで

改めて、日本の素材開発力はすごいなと思いました。日立造船のトチュウエラストマーという素材です。エラストマーは弾性体の高分子のこと。要するにゴムです。 トチュウは落葉広葉樹の杜仲のことです。その葉は杜仲茶の原料になりますが、葉や種子の果実など…

くれぐれも最後まで慎重に、補助金の手続きは。

この仕事を長く続けていると、いろんな事態に遭遇します。しかし、それは私にとっても初めての経験でした。 中小企業経営者にインタビューしていた時のことです。公の補助金を利用して設備を導入した、その経緯を私は取材していました。 取材慣れしていない…

ナノファイバーを樹脂に混ぜると、ユーザー企業はそれを気にする

答えは「色」です。もう一度、前回記事の写真を参照してください。最初の写真はセルロースナノファイバーだけで作ったもの。ナノファイバーの純度が高いものほど透明になっています。 ところが、ナノファイバーを樹脂に混ぜるとどうなるか。それが2番目の写…

ナノファイバー開発者の共通の悩みがあった

植物から取り出すセルロースナノファイバー(NC)は、すこぶる魅力的な素材だけど、応用製品を開発している技術者たちには共通の悩みがありました。それが何かは、この写真から分かるかもしれません。もちろん、他にも悩みはあるわけだけど、まずは見た目…

不老不死ではないけど、細胞の寿命を延ばす白い粉

10日たっても2割の細胞が生きていた 昨日のエントリーの続きです。白い粉は魚から抽出した不凍タンパク質、AFP(アンチ・フローズン・プロテイン)です。この粉を加えた細胞保存液にラットの膵島細胞を入れて、どのくらい細胞が生きていられるのかをテ…

ナノテクはイマジネーションが命だ。

4月1日、本日、復帰しました。またスタートです。 もう、2カ月以上前になりますが、1月に開かれたナノテク展のことを少し振り返ります。 この手のイベントは見る側にイマジネーションを要求します。素材がメインの世界ですから、どうしても顕微鏡とか化…

イチゴ容器の大学発ベンチャー、工農技術研究所がスタート

昨年12月にこのwebで掲載したイチゴの1個入り固定容器の事業が新たな段階に入りました。宇都宮大学発ベンチャー企業として、合同会社工農技術研究所(栃木県宇都宮市)が正式に認可されました。 この会社は宇都宮大学農学部准教授の柏嵜勝氏、工学部教授…

切ったら美しいリンゴ、健康食材のタマネギ、2倍も実がなるナシもありました。

アグリビジネス創出フェアの追加レポートです。やっぱりユニークさとか、機能性といったものがどうしても目につきますね。 サプライズ的見た目の美しさを狙うリンゴ こんなリンゴもあるのかと、ちょっと驚きでした。見た目は確かにユニークです。「つがる」…

東京に出張中でもイノシシ、サルを捕獲できる害獣駆除システム

害獣駆除とICT(Information and Communication Technology)。この組み合わせはやはり気になります。つい、ブースの前で足を止めました。「まる三重ホカクン」です。三重は「みえ」と読むので、「まるみえホカクン」となります。三重県農業研究所、鳥羽商船…

海外輸送でも傷まない、イチゴ1個の専用容器が市場へ

すぐにでも欲しいという企業がいくつもあるとの話でした。イチゴを1個だけ入れて固定する透明な容器です。なぜこんな容器を作ったのか。その訳はパンフレットの「イチゴの傷みを防ぐ」「逆さにしても外れない」とのコピーからもうかがえます。 イチゴは指で…

風船方式で、世界で一番安い太陽集熱装置を作る

いまや日本の農業は、付加価値の高い農産物だけでなく、農業機械や栽培技術の輸出など、海外戦略の目玉になっています。今年も「アグリビジネス創出フェア」(11月12日〜14日)が開催されました。やはり関心は高いですね。ということで、取材してきました。 …

新エネルギー対策課の元課長は、やってみなきゃ分からないことがたくさんあった、と語った(その4)

今回は、なぜ太陽光発電が年度末かけこみ認定の圧倒的多数を占めたのか。その直接的な原因の残りを分析します。 50kW以上の太陽光発電に6カ月ルールが適用 経済産業省資源エネルギー庁は平成26年3月28日付けで、「平成26年度の認定運用を変更します」という…

いびつなまでに突出した太陽光発電の理由。

接続回答保留は太陽光発電に集中して申請があったから 新エネルギー対策課長は何を語ったか。その3です。今回は接続回答保留になった直接的な原因である、系統への接続申し込みが急増した理由を整理しておきます。 予想をはるかに超える事業者から電力会社…

新エネルギー対策課長はFITの接続回答保留問題で何を語ったか。その2

接続保留はFITの問題と系統側の問題の2つの視点で見る FITと接続回答保留問題の続きです。そもそも、なぜ接続回答保留の問題が起こったのか。よくよく見ると、ストーリーそのものはしごく単純な構造です。 たとえていば、年度末になって、予想をはる…

新エネルギー対策課長はFITの接続回答保留問題で何を語ったか

再生可能エネルギー市場は政策でどうにでもなる、官製市場です。政策の舵取り次第で状況は一変します。言い換えれば、まだ独り立ちできていない市場というのが業界の人たちの認識でもあります。 それが突出して現れたのが今回の接続回答保留問題でした。九州…

世界の原油価格は下落傾向にある、その要因はなに

JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)のブリーフィングが10月23日、開かれました。その中で原油相場の分析も発表されていたので紹介しておきます。 石油の値段が下がって、木質チップ事業がやられた過去 その前に環境技術と原油相場の関係です。CO…

燃料電池自動車を使ったV2Hが誰でも可能に

V2H(Vehicle to Home)は自動車から家等への給電を行うことですが、これまで燃料電池自動車で行う場合は電気事業法の制約がありました。燃料電池自動車のV2Hは事業用電気工作物扱いで、保安規程の届出や電気主任技術者が必要だったからです。 これで…

固定価格買取制度でいま何が起こり、何をしようとしているのか。

過剰な動きがあると、それを抑制する動きが必ずでてきます。作用と反作用。固定価格買取制度(FIT)はまさに、その典型的な動きをしています。もちろん、九州電力などが表明した、FITにおける再生可能エネルギーの接続保留問題のことです。 発端は九州電力が…

林地残材のトドマツの葉から浄化剤を作ったエステーは地元の救世主か

もう1カ月ほど前になりますが、イノベーションジャパンで見かけた技術のことを紹介しておきます。こういった展示会には珍しく、このブースでは販売中の商品がずらりと並べられていました。 (抽出装置の映像。手前はトドマツの葉と精油の瓶) 知ってる人も…

揺れると発電するモジュール、ウエアラブルメガネ

CEATEC JAPANその3です。最後は,オムロンの振動発電モジュール。それからコニカミノルタのメガネ型シースルーディスプレイです。 振動で発電するセンサー 振動を開始すると右下にある温度計が表示され、発電しているのが分かります。下の写真は分解したモ…

鍵をなくしても開けられるドア、赤ちゃんの生活記録端末など。CEATECです

CEATEC JAPANの続きです。意外性のあるハードが結構ありました。IoT(internet of Things)製品もずいぶんあります。この分野はますます増えていくのでしょうね。 それから、もし、あなたがこういった展示会で、開発した技術者や研究者に直接、話を聞きたい…

卓球ロボット、高齢者も安心な見守りベッドなどなど、今年もCEATECです。

CEATEC JAPAN 2014です。千葉の幕張メッセで10月11日まで開催されました。駆け足ですが、目にとまったものを簡単に紹介します。 風の変化がLEDで見えるボード ボードに仕込まれている温度センサーが風の動きを温度変化として感知し、LEDを光らせ、風…

再生可能エネルギーの国際展示会で気がついたものたち。

7月27日から、再生可能エネルギー国際会議と展示会が東京ビッグサイトで開催されました。PV JAPAN 2014も同時開催されたためか、太陽光発電関連が目立っていましたが、その他の再生可能エネルギーの展示もありました。 あわせて開かれたセミナーでは、固定価…

蓄電紙の背景にある、セルロースナノファイバーとは

パルプ繊維で作った電極紙、蓄電紙は大きなくくりでいえば、セルロースナノファイバーの世界です。紙はパルプ繊維の集まりですが、詳細に見れば、ナノレベルの繊維の集合体であることがわかります。それがセルロースナノファイバーです。 いま、セルロースナ…

紙のように作る、鉛筆の芯と古紙で作るフレキシブルな電極材料

私の中では、今年上半期の興味深い技術トップ10に入る研究です。どこにでもある、ありふれた材料で高性能の蓄電材料が製造できからです。主要な材料は紙と鉛筆の芯。研究しているのは、大阪大学産業科学研究所特任助教の古賀大尚氏です。 紙の原料はパルプ…

成形スピードは10倍、でも省エネ。薄膜樹脂の高速成形法

ニッチな技術に見えますが、こういう細かな技術改良を諦めないところに、日本のモノ造りの肝がある、そう思います。 それは金型から押し出される溶けた樹脂の流れを撮影したビデオでした。樹脂の流れには不連続に、らせん状の渦のような乱れが発生しているこ…

中国とロシアの天然ガス合意は10年前からの懸案だった。

ウクライナ情勢の緊張によって、ロシアは中国などの東方政策を重視する戦略をたてている。それが今年5月、ロシアと中国の天然ガス合意の背景という論調が一部でありました。しかし長期にわたって市場を見ている専門家によれば、そんな単純な話しではないよ…

減るどころか増えている、ヨーロッパのロシアに対する天然ガス依存度

7月17日、むごたらしい「殺人」がウクライナ上空1万㍍で起きました。世界は緊張しました。アメリカ、EUはロシアと決定的な対立へと進む。そう想像した人たちもいました。もちろん、それは悲劇とそれがもたらす悲しみ、怒りがもたらす当然の見方でしょ…

スターリングエンジン発電機が家庭にやって来る

「予定より遅れているんですが、スターリングエンジンが電気事業法の一般用電気工作物として認められることになりました」 そう、誇らしげに説明したのはNPO法人の日本スターリングエンジン普及協会の理事の方でした。 どういう意味かというと、電気事業…

植物工場発の漢方薬、登場はまだか?

BIOtech2014の続きです。私がこのイベントで是非とも見たかったのは、漢方の生薬となる甘草の人工水耕栽培です。 この研究成果が発表されたのは2011年でした。独立行政法人・医薬基盤研究所の薬用植物資源研究センター、千葉大学、鹿島は甘草の人工水耕…

日本ゼオンがカーボンナノチューブの量産工場建設を正式決定で、何が変わるか。

(2014年5月19日に開催されたナノカーボンのシンポジウム) 日本ゼオンは4月の取締役会でカーボンナノチューブの量産工場建設を正式に決定しました。2014年6月に着工。2015年10月に工場を竣工し、その後、製造を開始する計画です。この話のポイ…

バイオテクノロジーだって、環境技術だ。

先週はBIO tech 2014がありました。メインは医薬品のイベントでした。医薬品は私のテリトリーではありませんが、探すと、環境分野に関連するユニークな研究はいくつもあるものです。 生ゴミから作る黒い物質が燃料電池になる 一見すると容器の中身は黒い液体…

サイバー空間から顔を守る、プライバシーバイザー

初めて、それを手にしたとき、正直に言えば毎日、身につけたくはないな、格好悪いなと思いました。あまりにデザインが無骨だからです。ほとんどゴーグルですね。開発の途中ですから、それも致し方ありません。 しかし、もし本気で自分のプライバシーを守りた…

再生可能エネは地熱と風力に力を入れますと、エネルギー基本計画

4月11日に閣議決定された「エネルギー基本計画」を読むと、タイトルのような重み付けが見えきます。昨年12月に原案が発表されてから、関係者の多くはそう読み解いていましたが、その通りになっていたわけです。 その訳は再生可能エネルギーの項目で、「風力…

燃料は水。光とありふれた材料があれば発電できる光燃料電池の未来

次世代エネルギーの新技術説明会で一番聞きたかったのが光燃料電池の話です。千葉大学大学院理学研究科の泉康雄准教授の研究です。 光燃料電池はその名前の通り、光で発電する燃料電池です。燃料は水です。主な材料は酸化チタン。光触媒の原料です。それに僅…

ジャトロファの脂はディーゼル燃料に。残渣からは強力な抗酸化成分を抽出する

JST2次電池・次世代エネルギー新技術説明会の続きです。 香川大学農学部の片山健至教授からはジャトロファに含まれている抗酸化成分の報告がありました。ジャトロファは油脂の多い植物で、タネの中に25−30%の割合で油脂が含まれています。それを搾…

ブルーチーズの青カビが稲わら、麦わらから自動車の燃料を作る。

JSTの2次電池次・世代エネルギー新技術説明会が2月18日、開催されました。報告されたのはリチウムイオン2次電池、バイオマス、太陽電池、燃料電池、生分解性樹脂の燃料化など12件の新技術です。私は7件の報告を聞きましたが、印象に残っているも…

印刷技術で柔軟なデバイスを作るプリンテッドエレクトロニクスに必要なものはキラーアプリ

ナノテク展の続きです。プリンテッドエレクトロニクスのコーナーでのことです。印刷技術を使ってフィルム状のデバイスを作るような技術のことです。結構、以前からこの分野の技術は進んでいるように思っていたのですが、専門家はどの段階にいまあると判断し…

素材をものにするならイマジネーション豊富な経営者が必要。カーボンナノチューブは死の谷を越え、あと少しで夜明け。

覚えておきたいこと。 産業技術総合研究所のスーパーグロース法が単層カーボンナノチューブ(CNT)量産化の決め手。 日本ゼオンは単層CNTの量産工場を2015年に稼働させる計画。 素材は発見から普及まで、20年、30年といった、本当に長い時間がかかり…