2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧
前回の続きです。なぜ旅客機の機体に炭素繊維を使うと客室乗務員の仕事が少し減るのか。炭素繊維は錆びません。これがポイントです。 一般的に旅客機の客室内は湿度を低く抑えています。機体に使用している合金の錆対策のためです。湿度を低くすることで錆び…
炭素繊維の大口市場として期待されているのが自動車、そして航空機の分野です。日本は炭素繊維の生産だけでなく、航空機分野への応用という点でもかなり先行しています。 ボーイング787は炭素繊維複合材料を主翼などに投入することで、大幅に軽量化されま…
写真は住江織物が開発中のセンサー用の布帛(ふはく)電極です。金属メッキをほどこした繊維を織り込んでいるため、導電性があります。これを身体に触れる衣類に埋め込めば、心拍数などの生体情報を計測するセンサーとして活用できます。 この布帛電極に前回…
改めて、日本の素材開発力はすごいなと思いました。日立造船のトチュウエラストマーという素材です。エラストマーは弾性体の高分子のこと。要するにゴムです。 トチュウは落葉広葉樹の杜仲のことです。その葉は杜仲茶の原料になりますが、葉や種子の果実など…
この仕事を長く続けていると、いろんな事態に遭遇します。しかし、それは私にとっても初めての経験でした。 中小企業経営者にインタビューしていた時のことです。公の補助金を利用して設備を導入した、その経緯を私は取材していました。 取材慣れしていない…
答えは「色」です。もう一度、前回記事の写真を参照してください。最初の写真はセルロースナノファイバーだけで作ったもの。ナノファイバーの純度が高いものほど透明になっています。 ところが、ナノファイバーを樹脂に混ぜるとどうなるか。それが2番目の写…
植物から取り出すセルロースナノファイバー(NC)は、すこぶる魅力的な素材だけど、応用製品を開発している技術者たちには共通の悩みがありました。それが何かは、この写真から分かるかもしれません。もちろん、他にも悩みはあるわけだけど、まずは見た目…
10日たっても2割の細胞が生きていた 昨日のエントリーの続きです。白い粉は魚から抽出した不凍タンパク質、AFP(アンチ・フローズン・プロテイン)です。この粉を加えた細胞保存液にラットの膵島細胞を入れて、どのくらい細胞が生きていられるのかをテ…
4月1日、本日、復帰しました。またスタートです。 もう、2カ月以上前になりますが、1月に開かれたナノテク展のことを少し振り返ります。 この手のイベントは見る側にイマジネーションを要求します。素材がメインの世界ですから、どうしても顕微鏡とか化…