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技術の現場から技術の先を読む    by MediaResource

2015-01-01から1年間の記事一覧

着実に進化していたホンダの水素発生器。次はどんなスタイルになるのか。

ホンダが以前から開発していた水素製造装置が進化していました。水を電気分解することで水素を製造するのが基本的な技術です。それ自体は目新しくもなんともないのですが、この装置は高い圧力の水素を圧縮機を使わずに製造できるのがポイントです。圧縮機が…

東京モーターショー2015は何を伝えたのか。

東京モーターショーが終わりました。今回はあまり時間がとれなかったため、全部は回りきれませんでした。めぼしい車は見たつもりですが、「これはすごいな」という、尖った技術の展示は少なかったような気がします。 量販タイプの燃料電池車が登場したことで…

ロボットアームに装着すると、接合装置に変身するマイクロ射出成形機

テーブルに載るコンパクトな装置を偶然、見つけました。機械要素技術展でのことです。といっても今年2月に新聞発表されていたので、単に私が知らなかっただけなのですが。 装置はセンチュリーイノヴェーションが開発したマイクロ射出成形機です。このタイプ…

世界の医療機器市場は拡大、日本はどうなる?

先週(6月24日から)は医療機器開発・製造展がありました。医療機器は世界的な成長が期待される分野です。2013年の世界市場は3278億ドル。これが2018年には4536億ドルになると予測されているほどです。1ドル120円換算で、ざっと55…

無名の会社でも世界をリードできる、トップスタンダード制度

前回(従業員43人のベンチャー企業が提案した規格を、ISOが承認へ)の続きです。 無名の会社が開発した新技術が世の中に認められ、普及していくのは簡単ではありません。製造に関わる技術の場合は、なおさらです。開発された多くの技術は消えていく運命…

従業員43人のベンチャー企業が提案した規格を、ISOが承認へ

順調に進んでいるなら、そろそろアナウンスがあると思うので、この記事をアップしました。 今年4月にNEDOの構造材マルチマテリアルシンポジウムで大成プラス(東京)の講演がありました。担当者によれば、もうすぐISO(国際標準化機構)の承認がおり…

福岡大学が開発した竹舗装、広がっています。

先週、福岡大学のJST新技術説明会に行ってきました。以前取材した竹の応用技術がどうなったか、知りたかったので。 研究しているのは福岡大学工学部の佐藤研一教授です。残念ながら当日は海外の学会出張中とのことで不在でした。 報告によれば、様子が少…

雷、接着、リサイクル。炭素繊維を飛行機に使った時の課題です。

前回の続きです。なぜ旅客機の機体に炭素繊維を使うと客室乗務員の仕事が少し減るのか。炭素繊維は錆びません。これがポイントです。 一般的に旅客機の客室内は湿度を低く抑えています。機体に使用している合金の錆対策のためです。湿度を低くすることで錆び…

炭素繊維を使用した旅客機では、客室乗務員の仕事が少し楽になる

炭素繊維の大口市場として期待されているのが自動車、そして航空機の分野です。日本は炭素繊維の生産だけでなく、航空機分野への応用という点でもかなり先行しています。 ボーイング787は炭素繊維複合材料を主翼などに投入することで、大幅に軽量化されま…

ウェアラブル用の生体センサーに天然素材を使う意味。

写真は住江織物が開発中のセンサー用の布帛(ふはく)電極です。金属メッキをほどこした繊維を織り込んでいるため、導電性があります。これを身体に触れる衣類に埋め込めば、心拍数などの生体情報を計測するセンサーとして活用できます。 この布帛電極に前回…

健康茶の原料が衝撃に強い天然樹脂に生まれ変わるまで

改めて、日本の素材開発力はすごいなと思いました。日立造船のトチュウエラストマーという素材です。エラストマーは弾性体の高分子のこと。要するにゴムです。 トチュウは落葉広葉樹の杜仲のことです。その葉は杜仲茶の原料になりますが、葉や種子の果実など…

くれぐれも最後まで慎重に、補助金の手続きは。

この仕事を長く続けていると、いろんな事態に遭遇します。しかし、それは私にとっても初めての経験でした。 中小企業経営者にインタビューしていた時のことです。公の補助金を利用して設備を導入した、その経緯を私は取材していました。 取材慣れしていない…

ナノファイバーを樹脂に混ぜると、ユーザー企業はそれを気にする

答えは「色」です。もう一度、前回記事の写真を参照してください。最初の写真はセルロースナノファイバーだけで作ったもの。ナノファイバーの純度が高いものほど透明になっています。 ところが、ナノファイバーを樹脂に混ぜるとどうなるか。それが2番目の写…

ナノファイバー開発者の共通の悩みがあった

植物から取り出すセルロースナノファイバー(NC)は、すこぶる魅力的な素材だけど、応用製品を開発している技術者たちには共通の悩みがありました。それが何かは、この写真から分かるかもしれません。もちろん、他にも悩みはあるわけだけど、まずは見た目…

不老不死ではないけど、細胞の寿命を延ばす白い粉

10日たっても2割の細胞が生きていた 昨日のエントリーの続きです。白い粉は魚から抽出した不凍タンパク質、AFP(アンチ・フローズン・プロテイン)です。この粉を加えた細胞保存液にラットの膵島細胞を入れて、どのくらい細胞が生きていられるのかをテ…

ナノテクはイマジネーションが命だ。

4月1日、本日、復帰しました。またスタートです。 もう、2カ月以上前になりますが、1月に開かれたナノテク展のことを少し振り返ります。 この手のイベントは見る側にイマジネーションを要求します。素材がメインの世界ですから、どうしても顕微鏡とか化…

イチゴ容器の大学発ベンチャー、工農技術研究所がスタート

昨年12月にこのwebで掲載したイチゴの1個入り固定容器の事業が新たな段階に入りました。宇都宮大学発ベンチャー企業として、合同会社工農技術研究所(栃木県宇都宮市)が正式に認可されました。 この会社は宇都宮大学農学部准教授の柏嵜勝氏、工学部教授…