水素ステーション用の熱交換器を拡散接合で造る、この技術が熱い
いま密かに注目を集めている技術があります。拡散接合です。金属の板を密着させて高温で加圧し、原子レベルで接合させます。
なぜ注目なのか。水素ステーション用の小型熱交換器に拡散接合が使われ始めたからです。水素圧縮機や、燃料電池車に水素を供給するディスペンサーなどで水素を急速充填すると、温度が上昇します。それを熱交換器で冷却し安全に充填するわけです。
水素ステーションで使われる拡散接合タイプの熱交換器はシェアトップが神戸製鋼所。ついでベンチャー企業のWELCONが先行企業として知られています。WELCONは新潟市に本社のある、日本の企業です。設立は2006年。独自に拡散接合の研究を進め、装置も自前で開発する、注目のベンチャーでもあります。
この市場に新たに参入したのが住友精密工業です。
(住友精密工業のマイクロチャンネル熱交換器)
住友精密工業のマイクロチャンネル熱交換器は岩谷産業の水素ステーション用に供給しています。エッチング溝加工したステンレスの平板を積層して拡散接合しています。従来の二重菅方式に比べると約50分の1のコンパクトサイズになっています。
水素ステーションはいま全国に約80基あります。これを国は2020年度までに160基。30年度には900基に増やすと、計画しています。
この分野からは当分、目が離せません。