切ったら美しいリンゴ、健康食材のタマネギ、2倍も実がなるナシもありました。
アグリビジネス創出フェアの追加レポートです。やっぱりユニークさとか、機能性といったものがどうしても目につきますね。
サプライズ的見た目の美しさを狙うリンゴ
こんなリンゴもあるのかと、ちょっと驚きでした。見た目は確かにユニークです。「つがる」と「メイポール」というリンゴを交配し、育種した結果できた「ハニールージュ」。「紅玉」と「ゴールデンデリシャス」を掛け合わせた「「ハニーレッド」もあります。信州大学農学部の伴野潔教授の研究成果です。味は好みがありますが、見た目は十分、インパクトがあります。食品も美しさは必要なのでしょう。
これらは種苗登録を申請中です。栽培する場合は信州TLOと栽培許諾契約を結ぶ必要があります。
見た目は普通のタマネギだが健康食材
こちらは見た目は何の変哲もないタマネギですが、ケルセチンを高含有した「クエルゴールド」という品種です。北海道農業研究センターが育成しました。ケルセチンはフラボノイド類の一種で、循環器疾患の抑制などに効果があります。普通のタマネギにもケルセチンは含まれていますが、それを高含有する品種です。タマネギは健康食材なのです。
巨大ナシがこんなになってもいいのか。
すごい数のナシの実がなっていました。通常の栽培方法に比べて2倍の実が1本の木になると担当者は説明しています。栃木県農業試験場が開発した「根圏(こんけん)制御栽培」という方法です。
ポイントはシートです。写真では分かりにくいかもしれませんが、シートが敷かれています。その上に「培土」を盛り、そこから木を成長させています。木の根はシートが邪魔して地中深く入り込みません。木を支える根の機能は落ちますが、代わりに土の中の養分を効率よく吸収するため、5年で2倍の収量になるそうです。1本の幹から2本の枝をY字型に育てて、鉄パイプなどで支えています。収穫のしやすさと、幹の補強も兼ねているわけです。ナシの品種は「にっこり」。糖度は12%程度です。