ECOTECH PRESS 技術を見に行く

技術の現場から技術の先を読む    by MediaResource

スターリングエンジン発電機が家庭にやって来る

「予定より遅れているんですが、スターリングエンジンが電気事業法の一般用電気工作物として認められることになりました」 そう、誇らしげに説明したのはNPO法人の日本スターリングエンジン普及協会の理事の方でした。 どういう意味かというと、電気事業…

植物工場発の漢方薬、登場はまだか?

BIOtech2014の続きです。私がこのイベントで是非とも見たかったのは、漢方の生薬となる甘草の人工水耕栽培です。 この研究成果が発表されたのは2011年でした。独立行政法人・医薬基盤研究所の薬用植物資源研究センター、千葉大学、鹿島は甘草の人工水耕…

日本ゼオンがカーボンナノチューブの量産工場建設を正式決定で、何が変わるか。

(2014年5月19日に開催されたナノカーボンのシンポジウム) 日本ゼオンは4月の取締役会でカーボンナノチューブの量産工場建設を正式に決定しました。2014年6月に着工。2015年10月に工場を竣工し、その後、製造を開始する計画です。この話のポイ…

バイオテクノロジーだって、環境技術だ。

先週はBIO tech 2014がありました。メインは医薬品のイベントでした。医薬品は私のテリトリーではありませんが、探すと、環境分野に関連するユニークな研究はいくつもあるものです。 生ゴミから作る黒い物質が燃料電池になる 一見すると容器の中身は黒い液体…

サイバー空間から顔を守る、プライバシーバイザー

初めて、それを手にしたとき、正直に言えば毎日、身につけたくはないな、格好悪いなと思いました。あまりにデザインが無骨だからです。ほとんどゴーグルですね。開発の途中ですから、それも致し方ありません。 しかし、もし本気で自分のプライバシーを守りた…

再生可能エネは地熱と風力に力を入れますと、エネルギー基本計画

4月11日に閣議決定された「エネルギー基本計画」を読むと、タイトルのような重み付けが見えきます。昨年12月に原案が発表されてから、関係者の多くはそう読み解いていましたが、その通りになっていたわけです。 その訳は再生可能エネルギーの項目で、「風力…

燃料は水。光とありふれた材料があれば発電できる光燃料電池の未来

次世代エネルギーの新技術説明会で一番聞きたかったのが光燃料電池の話です。千葉大学大学院理学研究科の泉康雄准教授の研究です。 光燃料電池はその名前の通り、光で発電する燃料電池です。燃料は水です。主な材料は酸化チタン。光触媒の原料です。それに僅…

ジャトロファの脂はディーゼル燃料に。残渣からは強力な抗酸化成分を抽出する

JST2次電池・次世代エネルギー新技術説明会の続きです。 香川大学農学部の片山健至教授からはジャトロファに含まれている抗酸化成分の報告がありました。ジャトロファは油脂の多い植物で、タネの中に25−30%の割合で油脂が含まれています。それを搾…

ブルーチーズの青カビが稲わら、麦わらから自動車の燃料を作る。

JSTの2次電池次・世代エネルギー新技術説明会が2月18日、開催されました。報告されたのはリチウムイオン2次電池、バイオマス、太陽電池、燃料電池、生分解性樹脂の燃料化など12件の新技術です。私は7件の報告を聞きましたが、印象に残っているも…

印刷技術で柔軟なデバイスを作るプリンテッドエレクトロニクスに必要なものはキラーアプリ

ナノテク展の続きです。プリンテッドエレクトロニクスのコーナーでのことです。印刷技術を使ってフィルム状のデバイスを作るような技術のことです。結構、以前からこの分野の技術は進んでいるように思っていたのですが、専門家はどの段階にいまあると判断し…

素材をものにするならイマジネーション豊富な経営者が必要。カーボンナノチューブは死の谷を越え、あと少しで夜明け。

覚えておきたいこと。 産業技術総合研究所のスーパーグロース法が単層カーボンナノチューブ(CNT)量産化の決め手。 日本ゼオンは単層CNTの量産工場を2015年に稼働させる計画。 素材は発見から普及まで、20年、30年といった、本当に長い時間がかかり…

人の脳でロボットを動かしながら、うつ病や発達障害を改善するメンタルヘルスケアシステム

この実験はJSTの次世代医療機器新技術説明会(2月7日)で行われました。ヘッドギアのような装置を頭につけて、集中するだけです。すると、4本脚のロボットがギーギーと言いながら、動き出しました。雑念が入って、気分が散漫になるとロボットは止まり…

アメリカのFAAは航空機材料にマグネシウム合金の使用を解禁へ。俄然注目集める熊本大学のマグネシウム合金。

2013年2月、私は熊本を訪ねました。熊本大学の河村能人教授が発見したKUMADAIマグネシウム合金の取材です。そして昨日、1年ぶりに河村教授と会うことができました。2月5日に開かれたJSTの地域結集事業成果報告会で河村教授は、発見したKUMADAIマ…

日本は紆余曲折があっても、天然ガスも燃料になる燃料電車が主役

日本の自動車メーカーはグリーンカーの主役をプラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車に据えています。トヨタやホンダは2015年を目標に現状よりも大幅にコストを削減した燃料電池車を市場に投入する計画です。つまり、来年には実用的な燃料電…

2014年も、それ以降もエネルギーが主役の環境ビジネスになると予測できる理由のひとつはシェール革命

アメリカは原油、天然ガスなどのエネルギーを自国の安全保障とリンクさせ、戦略的にとらえている国です。解禁してもいいのではという議論もあるようですが、アメリカは原油輸出を禁じています。天然ガスについては、FTA(自由貿易協定)を締結していない国…

で、アメリカのシェール革命の中心は、いまはガスではなくて、オイルだということ

シェール(頁岩)という文言が目に入ると、一体、どうなんているのか。いつもそう思います。この数年、アメリカのシェールガスが世界のエネルギー市場に大きな影響を与え続けています。それは分かっているつもりですが、私が感じる戸惑いは、変化のスピード…

太陽電池の先端は有機にあり。膜の厚みのあるほうがエネルギー変換効率がいいという、塗るだけの太陽電池。

JST(科学技術振興機構)が主催する「太陽光と光電変換機能」研究領域の公開シンポジウムが12月9日に東京・秋葉原でありました。 口頭発表は全部で10本ありましたが、そのうち8本が有機薄膜太陽電池に関係するものでした。現在、太陽電池の主流はシ…

電力と一緒にモノやサービスを売る時代が、積水ハウス、東芝、ホンダの連携の先に見えてくる。

11月13日に改正電気事業法が成立し、本格的に電力の自由化が動き出しました。スケジュールでいえば、電気事業法は3ステップで改正され、2020年までを目標として電力の自由化が進められることになります。 では、なぜ積水ハウス、東芝、ホンダの連携…

「水素社会の実現にむけてわれわれ3社はコミットするんだと、その強いメッセージを今回、お出ししたつもりだ」  積水ハウス、東芝、本田技研のトップ3人が語らなかった、もうひとつの狙い=東京モーターショー

東京モーターショーに出展した企業の間で、話題になったイベントがありました。11月21日に開かれた積水ハウス・阿部俊則社長、東芝・田中久雄社長、本田技研工業・伊東孝紳社長の、トップ3人による共同記者会見です。3社はモーターショーに合同ブースを出…

千葉商科大学が単独でメガソーラーを建設。本格的な売電事業に参入

ついにというべきなのか、大学も固定価格買取制度を利用した再生可能エネルギーによる売電事業に乗り出しました。 千葉商科大学(千葉県市川市)は、同大学の野球場の移転に伴って閉鎖した野田グラウンド(千葉県野田市)の跡地、約4万6781平方メートル(約4…

スマホのデザイナーも自動車産業の一員になれる! スポーツカー「コペン」の外板の仕様を情報公開。ダイハツ工業は誰でも参加できるオープンな協業を目指す=東京モーターショー

第43回東京モーターショーは11月23日から、一般公開が始まりました。毎回取材していますが、自動車というより、そこに使われている技術や素材そのものに興味のある私にとっては、今回はやや物足りなかったかな。その中から、いくつか尖っているなと思…

課題はたくさんあるけれど、そのユニークさに目を奪われるロボットたち

まだ解決できない問題があった原発事故作業ロボット 先週はロボット展に行ってきました。探査、救急、極限作業、福祉、医療、生活支援、エンタテイメントまで、幅広い分野のロボットが集結していました。 やはり展示されていたのがサイバーダインのCEOで、筑…

世界初! 性転換しないはずの魚を雌から雄に変えることに成功

なんというか、すごい研究成果です。本来は性転換しないはずの脊椎動物で、成熟した卵巣を精巣に換えることに世界で初めて成功したのです。雌から雄に、人の手で変えたわけです。 成功したのは沖縄美ら島財団・総合研究センターの中村將参与と愛媛大学南予水…

地球やトトロも作れる、平面が立体構造になる技術

平たい形状のものを、上下に引っ張ると、回転対称の立体構造物にできる技術です。一見すると提灯のようでもありますが、骨組みは全くありません。千葉大学大学院工学研究科の伊藤智義教授が開発しました。 あるルールにのとったプログラムで、図柄を平面の紙…

癌研究からエネルギーへ。耕作放棄地でミドリゾウリムシを培養しバイオエタノールを製造する

同じ素材であっても視点が変わると、全く異なる技術やテーマが見えてきます。広島大学大学院の細谷浩史教授の研究はまさにそれでした。 その研究とは原生動物のミドリゾウリムシです。アプリケーションはエネルギー。すなわち、ミドリゾウリムシからバイオエ…

都市鉱山から金を掘り出す、炭素を使った新しい分離技術

これは早く実用化して欲しい。金のリサイクル現場を取材した経験がある私は率直に、そう思いました。 少し説明しておきますが、入れ歯や電子部品などから貴金属を回収するのは、日本のような資源小国では重要なことです。しかし金や銀などの回収現場の環境は…

賃貸アパート形式の植物工場が農の流動化を促す

日本で農業が生き残るには、新しい人たちが農に参加することが不可欠だと私は思っています。人の流動化です。もちろん異論はあるでしょうが、農業とは別な視点を持つ人たち、それが企業でも構いません、が入ることで、全く異なる新しい農業が見えてくる可能…

精緻な農業に競争力をつける、新技術、新サービスをさがせ

アグリビジネス創出フェア2013が10月23日から東京ビッグサイトで開催されました。 TPP(環太平洋経済連携協定)との絡みなのでしょう、国は「農業の競争力強化」を掲げて、様々な施策を実行しています。それは言い換えるなら、「競争力強化」に関…