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環境技術と環境ビジネスの少し先を読む

ナノファイバーを樹脂に混ぜると、ユーザー企業はそれを気にする

 答えは「色」です。もう一度、前回記事の写真を参照してください。最初の写真はセルロースナノファイバーだけで作ったもの。ナノファイバーの純度が高いものほど透明になっています。

 ところが、ナノファイバーを樹脂に混ぜるとどうなるか。それが2番目の写真です。PPとはポリプロピレンのことですが、この樹脂に5%のナノファーバーを混ぜただけで、薄く茶色がかっています。

 先に言っておきますが、中越パルプが開発したナノファーバー入り樹脂は非常に先鋭的な製品です。樹脂にナノファイバーを混ぜる「分散」の技術はどこのメーカーも熱心に研究しています。しかしこれが難しい。

 そのひとつの方法を中越パルプが開発し今年1月に発表しました。この技術に対する評価は高く、発表時には中越パルプの株価は急騰しました。

 ただし、色の問題は解決されていません。

 色なんか、どうでもいいじゃないか。私も最初はそう思っていました。ところが応用製品を作るユーザー企業の中には色が出るのを嫌う、あるいはもっと透明な樹脂が欲しいなど。色を重視する企業は意外に多かったのでした。もちろん、塗装するから色は関係ないという企業もあります。

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中越パルプのナノファイバー入りプラスチック製品)

 では、なぜ樹脂にナノファイバーを混ぜると色が出てくるのか。温度で変色するのかと思っていたら、それだけではなく、もっと奥が深く、なおかつ複雑なメカニズムが働いているらしいのです。

 色の問題は分散技術とともに、ナノファイバーを研究する企業にとって共通の課題なのです。

 なぜ、色が出るのか。なぜきれいに分散できるのか。その辺の話は別な機会に。