航空機用の革新的素材開発で分かる日本の技術の行く末
内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)は10のテーマがあります。そのひとつ、革新的構造材料の成果報告会が4月26日にありました。何とも厳めしい名称ですが、CFRP、耐熱合金など、航空機用の先端材料の研究、開発が目的です。
日本の素材技術は先端を走っています。新素材は実用化までに時間がかります。欧米のように短期間に結果を出さなければならない企業の経営スタイルではなかなか手が出せません。しかし成果をすぐに求めない日本の経営スタイルは素材開発にあっているともいえます。炭素繊維などはその典型でしょう。ただ、それも変わりつつありますが。
日本はこれまで造船、鉄鋼、半導体、液晶など。コアとなっていた技術が中国、韓国とのコスト競争に負け、苦戦を強いられました。航空機はコストだけでなく、安全性、信頼性と同時に性能が求められる分野です。日本の素材開発もここが踏ん張り所なのです。
このプロジェクトは実用化までの期間を短縮するため、基礎から応用展開まで、同時並行で進める手法をとっています。2030年までに部素材出荷額で1兆円。これが目標になっているようです。果たしてどうなるか。