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技術の現場から技術の先を読む    by MediaResource

いずれ見慣れた光景になる、アシストスーツ姿

 写真の装置は東京理科大学ベンチャーのイノフィスが販売しているアシストスーツ「マッスルスーツ」です。今年3月発売されたばかりの新モデル。写真の小さなポンプを手押しすると、「人工筋肉」に空気が注入され背中を引っ張り、作業を補助する構造になっています。

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スタンドアローンタイプ。重さ4.7kg)

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(黒いチューブが人工筋肉)

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(小型の手押しポンプ。介護・福祉ロボット&機器開発展にて)
 私も試着しました。人工筋肉に空気が入ると身体に相応の負荷はかかりますが、荷物の持ち上げは装置を付けない状態よりは楽になりました。

 写真のスーツはスタンドアローンタイプです。昨年発売されたタイプは人工筋肉にエアーを送るコンプレッサーとつながっているため、移動などが制約されます。それを改善したのがスタンドアローンタイプです。コンプレッサーやバッテリーなどが一切不要。これが最大のメリットといえるでしょう。
 ユーザーは介護医療、物流、農業、それからパチンコのホールだそうです。パチンコ台の入れ替え作業で使用するとのこと。パチンコ台は重いんですよ。

 値段は1機60万円(税抜き)。売れ行きは悪くないそうです。
 この分野には追い風が吹いています。厚生労働省が介護ロボット等導入支援特別事業 として、平成27年度補正予算で52億円を計上したからです。
 アシストスーツを装着した姿は今後、介護医療、物流など、力仕事を要求される現場では珍しくはなくなるかもしれません。それぐらい確実なニーズがある、そう感じます。