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世界の医療機器市場は拡大、日本はどうなる?

 先週(6月24日から)は医療機器開発・製造展がありました。医療機器は世界的な成長が期待される分野です。2013年の世界市場は3278億ドル。これが2018年には4536億ドルになると予測されているほどです。1ドル120円換算で、ざっと550兆円という巨大市場。先進国は高齢社会、新興国は医療需要の拡大が、市場成長の要因とされています。

 当然、日本の企業も黙ってはいません。政府は医工連携をキーワードにして、この分野への企業参入を促しています。その牽引役として期待されているのが異業種のメーカーやソフトウエア会社です。

 出展企業に話を聞くと異業種参入は結構ありました。グローブボックスを展示していた宝栄工業。主力製品はバンパーなど自動車部品です。キッツマイクロフィルターは半導体の洗浄用モジュールを主に製造している会社。こちらは医療機器の洗浄分野にも手を広げていました。

 林時計工業はペルチェ素子を使った電子クーラー。ラボなどで使う装置です。日本アレフはセンサーなどのデバイスメーカー。センサー技術を応用して、病院や介護施設のベッド見守り装置を開発販売しています。

 これら企業は自社の手持ち技術を生かしながら新市場開拓を進めています。

●宝栄工業のグローブボックス。自社ブランド品です。

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 ●日本アレフ。ベッドの患者の動きをセンサーで知らせる装置です。ベッドの背後にあるヘラのような棒の2箇所にセンサーを設置。ベッドの上で身体お起こす、寝返える、ベッドから離れるの3つの動作をセンサーで判定し、ナースに知らせる仕掛けです。

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●蝶番のメーカーである栃木屋。手すりが上下する2本の棒の部分に、独自開発した機構が仕込んであります。同じ機構を応用した杖もありました。

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●キッツマイクロフィルターの洗浄用モジュールには中空糸膜が使われています。

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東京理科大学が研究開発、菊池製作所が製造・販売する着用型筋力補助装置。動力は圧縮空気です。介護者や作業員などが装着し、重いモノを持ち運んだりする動作をアシストします。

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  日本の医療機器市場は2兆6758億円(2013年)です。ただし、日本は人口の減少、高齢社会による介護費や医療費の負担が増大することで、国内市場の拡大には限界がある、むしろ海外に目を向けたほうがいいとの、見方もあります。

 医工連携といっても簡単ではないのです。