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技術の現場から技術の先を読む    by MediaResource

福岡大学が開発した竹舗装、広がっています。

 先週、福岡大学のJST新技術説明会に行ってきました。以前取材した竹の応用技術がどうなったか、知りたかったので。

 研究しているのは福岡大学工学部の佐藤研一教授です。残念ながら当日は海外の学会出張中とのことで不在でした。

 報告によれば、様子が少し変わっていました。私が佐藤教授を取材したのは2011年10月です。当時はあまり知られていなかった竹の技術ですが、その後、佐藤教授が中心となって竹イノベーション研究会を立ち上げ、大学、企業、団体、個人が参加。竹利用の技術開発、活動が継続され、裾野が徐々にですが広がっていたからです。

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(竹の加工場)

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(竹チップと泥を混ぜて乾燥させた状態)

  竹の技術はそれほど難しいものではありません。チップや綿の状態にした竹を泥に混ぜて固めるのです。竹の繊維は引っ張り強度があり、高い吸水性があります。この特性を地盤の改良材として生かすのが、この技術の狙いです。竹の加工に市販の汎用マシンが使えるのも魅力でした。

 用途は当初、農業用のため池の改修や工事現場での汚泥処理を想定していました。ため池の周囲にある竹を切り出し、そのまま池の改修の材料として使う,局所的地産地消という感じです。

 しかし、関心が集まっていたのは竹チップを土に混ぜて使う竹舗装です。当初は福岡県内の公園で実験的に施工が行われていました。それが名古屋、浜松などに広がり、歩道、広場、学校のグラウンドなどで利用されています。

 リサイクルで重要なことは、原材料の入手が簡単で、ある程度の量を確保できること。誰でも使える技術であること。それからもうひとつ、取り組む人たちに熱意があること。これですね。