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環境技術と環境ビジネスの少し先を読む

雷、接着、リサイクル。炭素繊維を飛行機に使った時の課題です。

 前回の続きです。なぜ旅客機の機体に炭素繊維を使うと客室乗務員の仕事が少し減るのか。炭素繊維は錆びません。これがポイントです。

 一般的に旅客機の客室内は湿度を低く抑えています。機体に使用している合金の錆対策のためです。湿度を低くすることで錆びにくくしているのです。

 しかし炭素繊維は錆びません。このため客室内の湿度を20%程度にまであげています。おかげで、われわれは乾燥による喉の渇きや痛みのリスクから少し開放されます。客室乗務員にミネラルウオーターを注文する回数は減り、彼らの仕事量も少しだけ減るというわけです。

 これは炭素繊維の数多くあるメリットのほんの一部です。が、同時に課題もたくさんあります。材料の接着方法や雷対策。あるいはCFRPのリサイクル問題。まだまだやるべきことはたくさんあるのが炭素繊維の世界なのです。