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武末高裕のECOTECH PRESS 技術を見に行く

環境技術と環境ビジネスの少し先を読む

不老不死ではないけど、細胞の寿命を延ばす白い粉

10日たっても2割の細胞が生きていた

 昨日のエントリーの続きです。白い粉は魚から抽出した不凍タンパク質、AFP(アンチ・フローズン・プロテイン)です。この粉を加えた細胞保存液にラットの膵島細胞を入れて、どのくらい細胞が生きていられるのかをテストしたのです。膵島細胞はインシュリンを作る細胞です。

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 実験はAFPを研究する北海道大学の津田栄客員教授のグループが行いました。その結果は大いに興味をかき立てるモノでした。

 4℃で維持した保存液に入れた膵島細胞のうち、20%が10日たっても生きていたのです。これがパネルに書かれていた「細胞の寿命を延ばすタンパク質」の意味です。

魚のすり身から作ったから可能になった実験

 津田氏によれば、AFPには細胞を凍らせない機能とともに、細胞の寿命を延ばす機能があるといわれていたそうです。不凍の機能は明らかにされていました。しかし寿命のことは確固たるデータがなく、はっきりと分からなかったそうです。津田氏はそれを明らかにしたのです。

 では、なぜそれができたのか。一番の理由は津田氏が、AFPを魚のすり身からでも抽出できる技術を世界で初めて開発したからです。

かつては、1グラム100万円もしたAFP

 驚くのですが、AFPの値段。かつては、1グラム100万円もしていたそうです。金の相場って1グラム何千円の世界ですよね。AFPは実験を行うには高価な、いや、あまりに高価すぎる粉末なのでした。

 もちろん、いまでも貴重な粉末であることは変わらないのですが、様々な実験を試すことができるまで、AFPを容易に抽出できるようになった。その結果、寿命の実験ができたというわけです。

 ここまで聞いて、私の妄想は随分広まり、深まりました。あなたはどうですか。

 というわけで、今回はここまでです。