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技術の現場から技術の先を読む    by MediaResource

中国とロシアの天然ガス合意は10年前からの懸案だった。

 ウクライナ情勢の緊張によって、ロシアは中国などの東方政策を重視する戦略をたてている。それが今年5月、ロシアと中国の天然ガス合意の背景という論調が一部でありました。しかし長期にわたって市場を見ている専門家によれば、そんな単純な話しではないようです。
 そもそも、ロシアの天然ガスの東方戦略は10年前に遡ります。プーチン大統領は2004年の大統領就任2期目の演説で、アジア市場を目指す政策を打ち上げました。そして2006年にトルクメニスタン天然ガス供給で合意。中国との交渉はさらに時間がかかったけれども、今回合意したわけです。
 専門家の予測がすべて当たるとは思いませんが、短期的な見方は時として、ものごとを見誤らせる原因になるでしょう。とくにエネルギーの分野では、より一層、そう思います。
 たとえば原油価格の変動です。世界のリスク要因はイラン、イラクリビアウクライナ。いくつもあり、何かが起こると原油価格にビビッドに反映されます。しかし2008年頃からの価格変動を見ると分かりますが、リーマンショック前後の原油価格の劇的な変動に比べたら、それ以降の変動幅はあまり大きくありません。ものごとを見る尺度って重要なんですね。

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(資料;JOGMEC石油天然ガス・金属鉱物資源機構

  ロシアと中国の話しに戻りますが、私にとっての驚きは、長期にわたって中国と交渉を続けてきたロシアの姿勢です。強かなビジネスマン。