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技術の現場から技術の先を読む    by MediaResource

日本は紆余曲折があっても、天然ガスも燃料になる燃料電車が主役

 日本の自動車メーカーはグリーンカーの主役をプラグインハイブリッド車電気自動車燃料電池車に据えています。トヨタやホンダは2015年を目標に現状よりも大幅にコストを削減した燃料電池車を市場に投入する計画です。つまり、来年には実用的な燃料電池の乗用車が登場するというのです。すごいことです。

 しかし日産自動車カルロス・ゴーン社長は燃料電池車の普及は2020年よりも前は難しいと、慎重でした。

 日産は電気自動車リーフを2013年秋の段階で累計12万台、世界で売っています。しかし計画よりも売れていません。その理由は充電インフラ、つまり電気スタンドの普及の遅れにあると、ゴーン社長は見ているのです。

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水素ステーション。70メガパスカルで水素を充填する)

 同じように、燃料電池車に不可欠な水素ステーション、水素供給インフラはほとんど整っていません。それが燃料電池車普及の足かせになるというわけです。

 整理すると、アメリカは従来のエンジン技術を生かしたバイオ燃料天然ガスを主軸とするグリーンカー戦略。日本は先進的な燃料電池車、電気自動車。という日米のグリーンカー戦略の対決構図が見えてきます。

 コストは先ほどもいいましたが、天然ガス車やバイオエタノール車のほうが安いわけです。その点ではアメリカのグリーンカーのほうが優位です。

 じゃあ、日本は不利かというと、そうともいえません。日本はやはり電気自動車燃料電池車をグリーンカーの基本におくべきと、私は考えます。自社の優位性がどこにあるのか。それを見極め、最大限に追求することのほうが将来的には大きなアドバンテージにつながるからです。それに天然ガス燃料電池車の水素燃料になります。

 燃料電池車のハードルは相変わらず高いです。しかしハードルが高いからこそ、いま攻めるべき分野なのです。